原田マハさんの『スイート・ホーム』の感想です。
あらすじ
幸せのレシピ。
隠し味は、誰かを大切に想う気持ち――。
うつくしい高台の街にある小さな洋菓子店で繰り広げられる、
愛に満ちた家族の物語。香田陽皆（こうだ・ひな）は、雑貨店に勤める引っ込み思案な二十八歳。
スイート・ホーム｜一般書｜小説・文芸｜本を探す｜ポプラ社より引用
地元で愛される小さな洋菓子店「スイート・ホーム」を営む、腕利きだけれど不器用なパティシエの父、
明るい「看板娘」の母、華やかで積極的な性格の妹との四人暮らしだ。
ある男性に恋心を抱いている陽皆だが、なかなか想いを告げられず……。（「スイート・ホーム」）
料理研究家の未来と年下のスイーツ男子・辰野との切ない恋の行方（「あしたのレシピ」）、
香田一家といっしょに暮らしはじめた?いっこおばちゃん?が見舞われた思いがけない出来事（「希望のギフト」）など、
稀代のストーリーテラーが紡ぎあげる心温まる連作短編集。
感想
いまどき、こんなにあたたかい家族小説って、ある！？
最近、家族がテーマとなると、どうにも毒親が出てくる小説が多いけど、いやいや、そればかりじゃないでしょうとも思ってた。でも同時に、家族とか親とかそういうものに絶望してる自分もいた。
そんなときにこの作品に会えてよかった。
帰ってきたいと思える、愛のある場所——スイート・ホームがあること、それを作れることってとても幸せなことだなと思った。
登場人物たちがいい人ばかり。リアリティがないとかいう人もいるけど、別にいいじゃん。こういう話があっても、と私は思う。登場人物がそれぞれ築くスイートホームのような、あたたかくて、幸せで、いつでも読みたくなるような話があっても。疲れた時に、ぜひ私はこの小説を開いてほっこりしたい。
とびきりのスイーツのような、嬉しくて美味しい小説だった。
 | 価格:1650円 |
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