こんにちは、おさかなさんです。
この間、本屋さんに行ったら、ある本がポップで「朝読書におすすめ！」と紹介されていました。
いやあ、懐かしいなあ。朝読書の時間。おさかなさんが学校に通ってたときにも、毎朝20分ほど、読書する時間がありました。当時おさかなさんは読書が嫌い系魚類だったため、この時間が苦痛で仕方なかったですが……。本を読む時間が毎日20分確保できるなんて、今となっては夢のような話、戻れるなら戻って、もっとたくさんの本を読みたいです……（泣）
さて、唐突な自分語りはここまでにしておいて。
今回は、そんな毎朝読書の時間が設けられている、高校が主な舞台のおすすめ小説をご紹介します。
高校が舞台と言っても、先生や事務員さんが主人公のお話もたくさんあります。
なのでここでは、朝読書をする主体である高校生が主人公でかつ、高校が主な舞台となる小説にしぼって、ご紹介したいと思います。
愛を知らない
男子高校生である語り手——涼のクラスメイトで親戚の橙子。暗い感じでクラスでも浮いてる彼女が、文化祭の合唱のソロパートに推薦されます。かまってちゃんみたいな言動を繰り返し、涼からも反感を買いますが、あることから、その秘密が明らかになり……という内容です。（参考：愛を知らない）
涼の視点とある人物の日記で物語が進んでいきます。
高校生四人の友情と、家族間のすれ違いが物語の主軸となります。だからといって爽やかだったりあたたかかったりするだけではありません。
男気のあるヤマオ、責任感の強い青木さんと家で合唱の練習をしたり、映画を観に行ったりと、高校生の青春という感じがする前半。一方、橙子の謎が解けていく後半では物語の重力が一気に増します。
そして読み終わってタイトルの、「愛を知らない」とはだれのことなのか、愛が欲しいと叫んでいるのはだれなのか——考えると、やるせなさ、切なさが襲います。ひりひりした読み心地です。
ピアノの低音が響いているようなたっぷりの臨場感と、胸に迫る表現にドキドキさせられました。
 | 愛を知らない （ポプラ文庫 日本文学 429） [ 一木 けい ] 価格:748円 |
彼女が好きなものはホモであって僕ではない
主人公の男子高校生、純は同性愛者で、ネットで知り合った中年男性の恋人がいます。しかし、周りには同性愛者であることを隠しています。そんなある日、些細なことから、クラスメイトで腐女子の紗枝に急接近して、二人は恋人同士に。ところが間もなく、二人は不穏な雰囲気になってしまいます。彼らを応援する人、否定する人——さまざまな立場の人たちに囲まれて、彼らは自分たちの「最適解」である関係を見出すこととなります。（参考：彼女が好きなものはホモであって僕ではない）
この小説には、つくづくはっとさせられました。同性愛者を理解しよう、というスタンスがいかに他人事か。理解、と言ってる段階ですでに、「異質なもの」として扱ってることになるし、彼らを心のどこかで見下してるからそんなことが思えるんじゃないのか。そして、その「理解しよう」という姿勢は結局、なんでもかんでも「同性愛者だから、こうだ」という風にまとめることになってないだろうか。そう思うと、自分が情けなく感じました。
あと、同性愛者の方々のことを、ただ単に、恋愛対象が同性である、という風にしかとらえてませんでした。
彼らも子どもを設け、家庭を築くという異性同士の多くなら「ふつう」にできる「ふつう」の幸せが欲しいのかもしれない。でも、好きになるのは同性で、だからそれは叶わない。なんて苦しいんだろう。
ラノベのようなタイトルですが、昨今の話題となっているLGBTについてや、彼らを取り巻く環境について、LGBTじゃないにしろ、自分とは「違う」人たちに対する向き合い方について考えさせられます。
 | 彼女が好きなものはホモであって僕ではない [ 浅原 ナオト ] 価格:1,320円 |
モナミは世界を終わらせる?
シリアスな毛色の二作から一転、ギャグシーンてんこもりなドタバタアクションファンタジーをご紹介。
主人公であるモナミは、すっごいドジなこと以外は普通の女子高生です。そんな普通であるはずのモナミの前に、突然丸男という男が現れ、身辺警護をすると言います。なんでも、モナミの周りと世界情勢がシンクロしていて、モナミは世界の運命を決めるカギだそう。何者かから命を狙われ始めるモナミと、世界の行く末やいかに——！？という話です。（参考:モナミは世界を終わらせる?）
もうね、モナミちゃんがドジすぎる。そのドジっぷりを、初っ端から発揮してくれますよ。そのドジのせいで世界の存亡にかかわる聞き間違いをしたり、絶対に落としちゃいけないものを物を落としたりするもんだから、ハラハラさせられっぱなしです。そんなドジっ子が世界の運命を決めるわけで、警護しなきゃいけない丸男の心労が思いやられます。（笑）
出てくる人たちがみんな強烈なキャラクターで、個性爆発って感じです。
ファンタジーですが、ミステリー要素があるのも、魅力的です。
 | モナミは世界を終わらせる？ （角川文庫） [ はやみね かおる ] 価格:748円 |
おわりに
いかがでしたでしょうか。
高校が舞台の小説を読んでると、なんだか懐かしくなるし、若いからこその感情がむき出しになってる感とか、みずみずしさとかを感じます。
だからこそリアルに高校生だったときに、やっぱりもっと朝読書の時間を大切にすればよかったなあと……。（泣）
それはおいといて、これらの小説は、今高校生の方々はもちろん、そうでない方々も楽しんでいただけるのではないでしょうか。そうだといいな。
中学生バージョンや小学生バージョンも、いつかご紹介したいと思います。
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