本日は、200ページ以下の小説をご紹介します。
なにかと忙しい現代社会。小説を読みたいけど時間が……という方は多いと思います。
わたしもフルタイムで働く身なのでその気持ちはよくわかります（苦笑）。
そんなときでも、サクッと読めて大満足できる小説をご紹介します。
『静かな雨』宮下奈都 107ページ（単行本）
「忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない」
新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在が全てだった行助の物語。
『羊と鋼の森』と対をなす、著者の原点にして本屋大賞受賞第一作。
『静かな雨』宮下奈都 | 単行本 – 文藝春秋BOOKSより引用
『羊と鋼の森』の宮下奈都さんのデビュー作。身体が不自由な行助と、あることから新しいことが覚えられなくなるこよみのラブストーリーです。静かな雨がさあさあ、と降っているような、優しくてあたたかい文体。二人のこれからを見守りたくなるのと、たい焼きが食べたくなる一冊です。
2020年には映画化もされています。（参照：静かな雨 : 作品情報 – 映画.com）
 | 価格:616円 |
↑文庫本は171ページです。
『ルビンの壺が割れた』宿野かほる 156ページ（単行本）
「突然のメッセージで驚かれたことと思います。失礼をお許しください」――送信した相手は、かつての恋人。フェイスブックで偶然発見した女性は、大学の演劇部で出会い、二十八年前、結婚を約束した人だった。やがて二人の間でぎこちないやりとりがはじまるが、それは徐々に変容を見せ始め……。先の読めない展開、待ち受ける驚きのラスト。前代未聞の読書体験で話題を呼んだ、衝撃の問題作！
宿野かほる 『ルビンの壺が割れた』 | 新潮社より引用
覆面作家、宿野かほるの代表作。帯があおりすぎなことで有名な一冊です（笑）。でも帯に違わず、びっくりするような展開が待ち受けています。短いストーリーでどんでん返しを楽しみたい方におすすめ。
今年の六月には本作品の朗読劇が上演されました。（参照：宿野かほる 『ルビンの壺が割れた』 | 新潮社）
 | 価格:572円 |
↑文庫本は176ページです。
『エンジェルエンジェルエンジェル』梨木香歩 156ページ
コウコは、寝たきりに近いおばあちゃんの深夜のトイレ当番を引き受けることで熱帯魚を飼うのを許された。夜、水槽のある部屋で、おばあちゃんは不思議な反応を見せ、少女のような表情でコウコと話をするようになる。ある日、熱帯魚の水槽を見守る二人が目にしたものは――なぜ、こんなむごいことに。コウコの嘆きが、おばあちゃんの胸奥に眠る少女時代の切ない記憶を呼び起こす……。
梨木香歩 『エンジェル エンジェル エンジェル』 | 新潮社より引用
『西の魔女が死んだ』の梨木香歩さんの著作。こちらは特にどんでん返しとかはありません。でも、交互に書かれている過去と今がつながったとき、「なるほどな」となります。短いけど、深い。心にしみる一冊。エンジェルフィッシュのイメージが変わる本でもあります。
 | エンジェルエンジェルエンジェル （新潮文庫） [ 梨木香歩 ] 価格:440円 |
『もぬけの考察』村雲菜月 112ページ
第66回 群像新人文学賞受賞作！
『もぬけの考察』（村雲 菜月）｜講談社BOOK倶楽部より引用
この部屋の住人は、みんないなくなる？ 都市の片隅にあるマンションの一室、408号室に入れ替わる住人たち――。奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。
こんな部屋絶対住みたくない！ 男も女も鳥もみんな消えてしまう408号室に、ゾッとすること間違いなし。文体や表現にも意味があって、最後に伏線が回収されるのも、面白いです。
 | 価格:1540円 |
『ごきげんな裏階段』佐藤多佳子 174ページ（文庫本）
アパートの裏階段。太陽も当たらず湿ったその場所には、秘密の生き物たちが隠れ住んでいる。タマネギを食べるネコ、幸せと不幸をつかさどる笛を吹く蜘蛛、身体の形を変えられる煙お化け。好奇心いっぱいの子供たちは、奇妙な生き物たちを見逃さず、どうしても友達になろうとするが…。子供ならではのきらめく感情と素直な会話。児童文学から出発した著者、本領発揮の初期作品集。
ごきげんな裏階段 / 佐藤 多佳子【著】 – 紀伊國屋書店ウェブ ストアより引用
『一瞬の風になれ』の佐藤多佳子さんの作品。出てくる人たちみんなに味があって、クスリと笑えます。アリババ先生が特に人間くさくていいキャラです。日常系のファンタジーです。
 ごきげんな裏階段 （シリーズ本のチカラ） [ 佐藤多佳子 ]価格:1650円 |
↑単行本は157ページです。
おわりに：短い本から手に取ってみて！
サクッと読めて大満足できる小説をご紹介しました。
小説を読みたいけど忙しくて時間が取れない方にも、なにから読めばいいか悩んでる方にも、この記事が約に立てばと思います。
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